新宿区で引っ越し補助金を調べても、その名前の制度がそのまま見つかるとは限りません。実際には、家賃助成、転居費用の助成、住み替え支援など、別の名称で制度が用意されているのが実情です。
地域情報メディア『しんじゅくスコープ』のエリア担当ライター、マサです。新宿区で暮らしながら、住まいまわりの制度はこまめに確認するようにしています。転入や住み替えを考えているみなさんが「自分に関係ある制度かどうか」を見分けやすくなるよう、整理しました。
新宿区が用意している三つの制度を軸に、申請の順番や注意点まで触れます。
「引っ越し補助金」で混ざりやすい制度の種類
「引っ越し補助金」という言葉で検索すると、複数の制度が一緒に出てきます。転居費用そのものを補助するものと、家賃を継続的に助成するものでは、性質がかなり違います。
大きくは四種類に分けて考えると見やすくなります。
- 転居費用の助成
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引っ越し業者への支払いなど、実際にかかった費用を補助するもの。
- 家賃補助(家賃助成)
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毎月の家賃の一部を、一定期間継続的に助成するもの。
- 住居確保給付金
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収入が急減した世帯に、家賃相当額を一定期間給付する国の制度。
- 住み替え支援(居住継続支援)
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立ち退きを求められた世帯などを対象に、転居費用と家賃差額を助成するもの。
自分がどれに当てはまりそうかを先に絞っておくと、調べる範囲がぐっと狭くなります。次の章からは、新宿区で実際に動いている三つの制度を具体的に見ていきます。
新宿区で使える三つの主な制度
新宿区には、住まい関連の支援が複数あります。ここでは公式サイトで確認できる三制度を紹介します。どれも対象条件や申請タイミングが異なるため、自分の状況に合うものから確認してください。
- ① 次世代育成転居助成
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区内の民間賃貸に住む、義務教育修了前の子を扶養する世帯向け。子の成長や出生を理由にした区内住み替えに対し、家賃差額(月額最大3万5千円、最長2年)と引っ越し費用実費(上限10万円)を助成。世帯人数4人以下の場合、転居後の家賃が18万円以下であることが条件。年15世帯の募集枠。
- ② 民間賃貸住宅家賃助成(子育てファミリー世帯向け)
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区内民間賃貸住宅に住む子育て世帯に、月額3万円を最長5年間助成する家賃補助の制度。年1回、10月頃に募集。令和7年度は50世帯募集に対し111世帯が応募(倍率2.2倍)。前年の世帯総所得が520万円以下、家賃月額22万円以下などの条件あり。
- ③ 住み替え居住継続支援
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建物の取り壊しや売却などで立ち退きを求められた高齢者世帯・障害者世帯・ひとり親世帯を対象。転居後の家賃差額(単身最大36万円、2人以上最大54万円)と引っ越し費用実費(上限15万円)を支援。区内民間賃貸に1年以上居住していることが条件のひとつ。
三制度とも窓口は新宿区都市計画部住宅課居住支援係(電話:03-5273-3567、本庁舎7階15番)です。公式サイトは https://www.city.shinjuku.lg.jp/ の「住まい・住宅」カテゴリから確認できます。
子育て世帯とひとり親世帯で分かれる支援の見方
上の三制度のうち、①と②は子育て世帯向け、③は高齢者・障害者・ひとり親世帯向けです。①は住み替え時の一時的な費用負担を軽くするもの、②は住み替えを伴わなくても使える継続型の家賃助成。目的がかなり違います。
ひとり親世帯は③の対象にもなりますが、立ち退きを求められていることが前提です。立ち退きとは無関係に住み替えを考えている場合は①か②のほうが関係しやすいです。
家賃補助と転居費用補助は別の制度です
「家賃補助」は毎月の家賃の一部が継続的に出るもの、「転居費用補助」は引っ越し当日にかかる費用が対象のもの。この二つを混同していると、申請できると思っていた制度が実は関係なかった、ということになりやすいです。
②の民間賃貸住宅家賃助成は純粋な家賃補助、①の次世代育成転居助成は家賃差額と引っ越し費用の両方が対象。③の住み替え居住継続支援も同様に、差額と費用の両方を見ます。
①と②は同時に申請できない仕組みになっています。どちらか一方を選ぶことになるため、状況に合わせて窓口で確認するのが確実です。
東京都と国の制度も一緒に見ておく理由
新宿区の制度だけでなく、国が実施している支援も見ておいたほうがいいのは、対象要件がそれぞれ違うからです。区の制度に当てはまらなくても、国の制度でカバーされる場合があります。
国の住居確保給付金は、離職・廃業から2年以内で収入が著しく減少し、住居を失うおそれがある世帯が対象。家賃相当額を原則3か月(最長9か月)支給します。新宿区のくらし・しごと相談センター(区役所第2分庁舎1階、電話:03-5273-3853)が窓口です。子育て世帯向けではなく、経済的な困窮が条件という点が区の制度と大きく違います。
申請のタイミングで結果が変わる制度がある
わたしが調べていていちばん気になったのが、このタイミングの問題です。①の次世代育成転居助成と③の住み替え居住継続支援は、転居先の賃貸契約を結ぶ前に「予定登録申請」が必要です。
契約してから申請しようとしても、その時点で対象外になります。仕組みとして、申請→審査→契約という順番が前提。物件を先に決めてしまうと入り口が閉まる制度です。
「引っ越しが決まったら申請しよう」と後回しにしやすいテーマですが、動くなら物件探しと並行して確認するほうが無理がありません。

物件を決める前に窓口へ相談だけでもしておくと安心です
物件契約の前に見ておきたい家賃と面積の条件
先に結論を言うと、制度によっては「転居後の家賃の上限」が決まっています。①の次世代育成転居助成では、4人以下の世帯で転居後の家賃が18万円以下であることが条件のひとつ。これを超えると助成の対象外です。
住戸の専有面積にも条件があります。2人世帯なら30㎡以上、3人以上は世帯人数×10㎡+10㎡が目安です。物件を探す段階からこの数字を意識しておくと、あとで条件に合わない物件を選んでしまうリスクが減ります。
対象外になりやすい条件を先に確かめる
迷いやすいのが、所得制限の確認です。どの制度にも所得要件があり、世帯の総所得によっては申請できないケースが出てきます。
- 所得制限を超えている
- 区内民間賃貸の居住期間が1年未満
- 転居後の家賃が上限を超えている
- 持ち家や社宅・公営住宅への転居
- ①と②を同一年度に重複申請しようとしている
また、②の民間賃貸住宅家賃助成は年1回の抽選式(令和7年度は2.2倍)で、募集期間は10月上旬の約2週間のみです。この時期を逃すと1年待つことになります。
申請の流れを三制度で比べると見やすい
三制度の申請の順番はそれぞれ違います。共通しているのは「公式サイトで条件確認→窓口相談→契約前に予定登録(①③の場合)→引っ越し後に本申請」という流れです。
子育て世帯か、立ち退き対象か、経済的困窮かで、関係する制度が変わります。
住宅課のページから対象条件・申請タイミング・必要書類を確認します。
①③は契約前の予定登録申請が必須。物件探しと並行して動くのが確実です。
今日、まずひとつだけ動いてみるなら
制度の全体像を一気に把握しようとすると、情報量が多くて疲れます。今日は「自分の世帯は子育て世帯か、立ち退き対象か、それとも収入急減か」だけを確認して、三制度のうちひとつのページだけ開いてみるくらいで十分だと思います。
わたし自身も仕事帰りにサッと確認できる範囲でしか動けないことが多いです。一度に全部調べようとするより、今日は制度名と窓口の電話番号だけメモしておいて、週末に公式サイトをゆっくり読む、くらいの進め方のほうが結局は続くと感じています。
転居の予定が3か月以内なら、今週中に一度だけ新宿区住宅課のページを開いて、予定登録申請が必要な制度かどうかをメモしておくことをおすすめしたいです。それだけで、あとで焦らなくて済む場面が減ると思うので、ぜひやってみてくださいね。













